前立腺癌
前立腺癌とは
前立腺癌は、前立腺にできる悪性腫瘍です。主に中高年の男性に多くみられ、現在では日本人男性がかかる癌の第一位となっております。
進行が遅いケースが多く、早期に見つかれば治療の選択肢も多く、予後は良好とされます。
主な原因
●加齢
前立腺癌は高齢男性に多く、50歳以上からリスクが上昇します。
●男性ホルモン(テストステロン)
前立腺癌の発育に影響を与えるとされ、ホルモンの働きが関係します。
●家族歴(遺伝)
血縁に前立腺癌患者がいると発症リスクが上がります。
●食生活・生活習慣
高脂肪・高たんぱくの食事、肥満、運動不足、喫煙などが関与している可能性もあります。
症状
初期には自覚症状がないことが多く、健康診断のPSA検査(前立腺特異抗原)で発見されるケースが増えています。
進行すると以下のような症状が現れることがあります:
尿が出にくい・細い・途切れる
頻尿・夜間頻尿
排尿時の痛みや血尿
背中や腰の痛み(骨への転移がある場合)
倦怠感、体重減少(進行癌)
検査・診断
PSA検査(血液検査):スクリーニング検査。基準値を超えると要精密検査。
直腸診(DRE):肛門から指で前立腺を触診。
超音波検査:大きさの評価や進行前立腺癌の場合は超音波検査で診断がつく場合がある。
MRI検査:前立腺癌があるかどうかより詳しく画像的判断ができる。→当院では行っておりませんので他院を紹介します。
前立腺生検:針で組織を採取し、癌細胞の有無を確認。診断確定には必須。(省略する場合もあり)
治療方法
年齢・癌の進行度・健康状態によって治療法は異なります。
当クリニックではホルモン治療のみ行っており、その他の治療を行う際は総合病院へ紹介します。
1.経過観察(アクティブサーベイランス)
癌がごく初期・進行が遅い場合は定期的に検査しながら経過を見守ります。
2.手術療法
前立腺全摘除術:癌が前立腺内にとどまっている場合に行う根治的治療。
3.放射線治療
外部照射または小線源治療(前立腺内に放射線を出すカプセルを埋め込む)。
4.ホルモン療法
男性ホルモンの分泌や作用を抑えて癌の進行を抑える。進行癌や再発時にも使用。
5.化学療法
癌が他の臓器へ転移した場合に行われます。
予後と再発予防
早期発見・早期治療により5年生存率は非常に高いとされています。
食生活の改善、適度な運動、定期的な検診(PSA検査)も大切です。