尿路結石症
尿路結石症とは
尿路結石症は、腎臓・尿管・膀胱・尿道といった尿の通り道(尿路)に「結石(けっせき)」と呼ばれる固い塊ができる病気です。
結石は尿に含まれるカルシウムや尿酸などの成分が結晶化して作られます。
主な原因
尿路結石の原因はさまざまですが、以下が主な要因です。
●生活習慣・体質
肥満、運動不足、ストレス、遺伝的な要因なども関与。
●水分不足
尿の量が減り、成分が濃縮されやすくなることで結石ができやすくなります。
●食生活の偏り
動物性たんぱく質や塩分、プリン体の多い食事が原因に。
カルシウムの過剰摂取や、逆に不足も影響する場合があります。
●代謝異常
尿酸、シュウ酸、シスチンなどの排泄異常によって結石ができることがあります。
症状
突然の激しい腰痛や側腹部の痛み
血尿(肉眼的あるいは顕微鏡的)
尿が出にくい、残尿感
吐き気・嘔吐を伴うことも
特に尿管に石が詰まると、非常に強い痛みを引き起こします(疝痛発作)
検査・診断
1.尿検査
目で見てわかる血尿だけではなく、顕微鏡でみて血尿がないかどうかや、膿尿や細菌尿がないかどうかを確認します。
2.血液検査
採血によって腎機能や尿酸値、カルシウム値、リン値や電解質異常を起こすホルモンの値などを調べます。また発熱を伴う場合、炎症の数値などを調べ感染症の程度を調べます。
3.単純X線写真
尿路結石のうち、約90%程度は単純X線写真で確認できるといわれております。2mm以下の結石や尿酸結石などX線で写りにくい結石などは確認が難しい場合があります。その時は他院を紹介しCTの検査をおすすめする場合があります。
4.超音波検査
結石が尿路を閉塞するとその結石より上部が拡張することがあり、腎盂が拡張したものを水腎症といいます。水腎症の有無を超音波検査で確認します。水腎症の有無を確認することは結石の治療において大変重要になります。
5.結石分析
排石された結石を持参された場合、その結石を検査に出して形成する成分を調べることができます。成分は治療法の選択に参考になったり、今後の予防に対して参考になります。
治療方法
症状や石の大きさ・位置によって治療は異なります。
●内視鏡手術(TUL・PNLなど)
結石が大きい場合や位置によっては内視鏡で取り除く手術を行います。
●自然排石
小さな石(5mm以下)は、水分を多く摂ることで自然に排出されることがあります。
鎮痛剤で痛みを和らげながら経過観察。
●薬物療法
排石を促進する薬や尿酸値を下げる薬などが使われることがあります。
●体外衝撃波結石破砕術(ESWL)
体の外から衝撃波を当てて石を砕き、尿で排出させます。
予防
十分な水分摂取(1日2L以上の尿量を目安)
バランスの取れた食生活(塩分・プリン体・動物性脂肪の摂取制限)
適度な運動と体重管理
医師の指導に従って定期的な検査や内服管理